
サリサリストアって何?
どうしてどんどん増えるの?
経営が失敗するのはなぜ?
フィリピンのサリサリストアに興味がある、開業に興味がある方にオススメの内容です。
こんにちは、うっきぃです。
フィリピンに行けば都市部だろうと地方だろうと、少しでもすき間があれば目につくサリサリストア。
なんとフィリピン全土に100万店舗はくだらないというから驚きです。
日本中にあるコンビニの数を合わせても2020年現在で約57,000店舗というから、桁違いの数だとお分かりいただけると思います。
そのサリサリストアがさらに増加傾向にあるのはなぜなのか、スモールビジネスを始めたい日本人が手を出すと必ず失敗するのはなぜなのかについて掘り下げていこうと思います。
この記事で分かるのはこんなことです。
- サリサリストアの特徴
- 人気のヒミツ3選
- 経営に失敗する理由4選
それではさっそく見ていきましょう!
サリサリストアの特徴
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サリサリストアとは家族経営をしている小型のコンビニのような雑貨店のことです。
12世紀に中国との交易からフィリピン全土に広がり、店舗内では50~200種類もの商品が所せましと陳列されています。
sari-sariとは、タガログ語で「色々な、様々な」という意味があり、駅のキオスクのように店内に入らず店先で販売するスタイルをとっているお店がほとんどです。

4畳ほどのスペースがあれば開業できるの。
初期費用も少ない手軽なスモールビジネスなんだよ。

サリサリストアは街中にあって、2~3店舗が並んでることもあるよ。
10mに1件はあると言われているから、徒歩数十秒以内に必ずある感じ!
治安の悪さから、鉄格子で覆われている店がほとんどで、オープンしてるかどうかさえ怪しい外観です。店内に入れないことから、何が売られているのか全容が分からないことも多いんですよ。
欲しいものを伝えて取ってもらい、鉄格子の一部分がくりぬかれた受け渡し口から商品と代金を支払うシステムを取っています。

気のいいおばちゃんや子供が店番してるよ。
観光の思い出に一度はお買い物してみて!
フィリピン国内の食品の35%がサリサリストアで購入され、フィリピンGDPの約13%に当たる1.3万ペソもあると言われています。
そんな貧困層にとって身近な存在のサリサリストアで、実際どんなものが販売されているか見ていきましょう。
たばこ1本から何でも揃う
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生活必需品から食べものまで豊富な品揃えです↓↓↓
- 【食料品】小麦・米・卵・缶詰・ラーメン・パン・お菓子・アイス
- 【調味料】醤油・砂糖・塩
- 【生活用品】シャンプー・洗剤・石鹸・歯磨き粉
- 【飲料品】ジュース・ビール・酒
また、冷蔵庫のない貧困層向けに水道水をポリ袋に入れて凍らせた氷や、薬や絆創膏、雑誌の貸し出し、タバコなどの嗜好品にニワトリの餌まで取り扱っています。

最近のサリサリストアは見た目と違ってIT化が進んでるよ!
携帯のチャージ、インターネットのギガ販売、wi-fiスポットになっているお店もあります。銀行の金融商品まで取り扱っているお店もあるのでその幅広さには驚きですね。
サリサリストアで瓶ジュースを買うと、デポジットとして瓶代が10ペソ程度取られます。返却すれば戻ってきますが、下のようにビニールに移し替えて販売しているところが多いです。
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これだけの商品を個人でどうやって仕入れているか気になりますよね。それでは次に、仕入れ方法について見てみましょう。
スーパーで仕入れる
なんと驚くことに、市場やスーパーで大量に購入して、それに1~3割の利ザヤを足して販売しています。

それじゃすごく高くなるよね?
貧困層が買う場所なんでしょ?
そうなんです。生産者→卸業者→スーパーなどの小売店→サリサリストアと通常より間に入る業者が増えることになるので、同じ商品でもかなり割高になります。
近所のサリサリストアが組合を作って、卸業者から購入している賢い方法を取っている店舗もありますが、かなり稀なケースです。
飲料関係はスーパーに専用の卸業者がいて、サリサリストアと直接取引することで巡回して持ってきてもらえます。

大量に購入すると割引になるから、スーパーで山盛りのカートを押してる人は、だいたいサリサリストアのオーナーさんだよ。
始めやすいからどんどん増える
始めやすいビジネスでもあり、需要もあるからです。
通常店自体を借りるか、店付きのアパートを借ります。商品の仕入れや冷蔵庫などの備品費用・費用を入れても
初期費用は50,000ペソもあればお釣りがくると言われています。

人通りの多い立地がいいところは高いよ。
お店の綺麗さよりも立地がすべてだよ。
1つあたりの単価が低いので、1つ売れても1~2ペソ程度の利益がほとんどです。それでもそこそこの場所に出店すれば日に500ペソは稼げるので、学歴もなく家事で忙しい主婦には十分家計の足しになると考えられます。

フィリピンの低所得層の日給は300ペソくらいだからねぇ。
子供に店番して貰ったりしながら片手間で出来るもんね。
サリサリストアの人気のヒミツ3選
なぜ割高だと分かっているのに、フィリピン国内に100万店舗もあるほど人気があるのでしょうか?
それには以下の3つの理由があります。
- 徒歩数10秒でどこにでもあるから
- 使う分だけ小分けで買えるから
- ツケで買えるから
どういうことなのか、詳しく見てみましょう。
徒歩10秒でどこにでもあるから
田舎に行けば行くほど、スーパーもコンビニもありません。
そんな時に「あ、醤油なかった!」って夕飯時になって気づくありますよね。
そんな時にすぐ近くで使う分だけ購入できる量り売りをしてくれることが、人気が衰えない一番の理由です。

醤油1本買うお金はないけど、いる分だけ売ってくれるサリサリストアはなくてはならない存在。割高でも必要ということだね。
値段的にはスーパー<サリサリストア<コンビニという感じなので、日本でも近くにあれば頼りたいと思いますよね。
使う分だけ小分けで買えるから
日本人なら特売日にまとめ買いをして1個当たりの単価を下げようと考えますが、その日暮らしの貧困層にとってはまとまったお金を持ち合わせていません。
そのため、その時にあるお金でその時に使うぶんだけ購入できるサリサリストアが重宝されているというわけなんです。

クスリも「今お腹痛いか2錠だけ欲しい」って時には助かるね。
タバコや飴も一つ売りどころか、歯磨き粉まで1回分で売っているというから徹底しています。
ツケで買えるから
知り合いなら給料日まで支払いを待ってもらうツケも使えるので、98%が銀行口座すら持っていない貧困層にはとても頼りになる存在です。
また、農家や漁師などはお金の代わりに物々交換で商品を手に入れてることもあります。
このような理由から、貧困層にとってはとても需要があるためどんどん増えている傾向にあるのです。

簡単そうだから、サリサリストアやってみようかな?
面白そうじゃん。
と軽く考える日本人移住者が後を絶ちません。
日本人でサリサリストアだけで生活している、しっかりとした戦略を練ってビジネスされている方もいますが、実際ほとんどが失敗して終わっています。
それはなぜなのか、次の章で見ていきましょう。
経営に失敗する理由4選
利益が10%しかなく、継続することが難しいからです。
フィリピン人でも失敗者は続出しており、「サリサリストア跡地」が数多くあります。
フィリピン人の場合、以下のような「管理のずさんさ」が一番の原因です。
- 商品を私物化して家庭で使う
- ツケを回収できない
- 赤字か黒字か把握していない
- 戦略を練っていない
帳簿を付けること、計算することが出来ないために自滅して行くパターンです。
子供に店番させるとお菓子やジュースを飲み食いされ、家族が多ければその分マイナス幅も広がります。
計算が苦手なので、帳簿を付ける習慣がなく、利益が出ているのかどうかも分かっていないことがあります。
ツケ払いも記帳せず、口約束なのでそのまましらばっくれられたりもしょっちゅうです。また、時期によって売れ筋商品が変わりますが、そこもざっくりなので品切れはそのままです。

おおらかというか、適当すぎるというか。
でも日本人ならきっちり管理できるでしょ?
日本人で移住をする人は、そこそこの蓄えがあるので、サリサリストアのようなスモールビジネスに声を掛けられることが多く手を出す人が多いです。
ですが、そこが足元を見られる要因でもあります。

急に仕入れ価格を上げてくるよ。
人のいい日本人にツケの回収は過酷すぎる。
帳簿をきっちりつけているからこそ、誰にいついくら回収すべきかを把握しています。ですが、その日暮らしをしていると分かっているご近所の大家族から取り立てが出来ますか?
サリサリストアの存続は「ツケの回収が出来るか否か」にかかっています。

最初からツケは断ればいいじゃん。
それなら回収しなくていいんだし。
ですが、それではツケを使える店にお客が流れてしまうだけで、売り上げに繋がらないということになります。
なにせ、ツケ払いする人は10人に1人と言われているほど多いんですから。
そもそも日本人だけでは開業できず、フィリピン国籍を持つ人の助けも必要になります。その人に持ち逃げされる可能性もありますし、初期投資が少ないにしてもリスクが高すぎるんです。

フィリピンでは、何もしないことが一番お金を残せる方法だよ!
まとめ
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フィリピンで人気のサリサリストアについて、取り扱い商品や、人気の秘密、仕入れ方法、なぜ開業したら失敗してしまうのかについてまで深堀してきました。
最後にポイントをおさらいしてみましょう。
- サリサリストアとは家族経営の超小型商店
- スマホのチャージなど幅広い商品展開
- スーパーや市場から仕入れ、利益を1~3割上乗せして販売
- なんでも小分け、量り売りなのでその日暮らしの貧困層に必要
- ツケ払い出来ることがメリットにもデメリットにもなる
- 誰でも始めやすいスモールビジネスだが失敗しやすい
店舗の前にベンチやテーブルを置いて、近所の人達の憩いの場としても使われています。
私たち日本人が忘れてきた、温かいご近所づきあいの風景がそこにはありますね。
観光や留学でフィリピンを訪れた際は、ぜひ現地の人たちとの交流にも挑戦してみてください。
サリサリストアでも購入できるジュースについてはこちらの記事に詳しく載せているので、こちらも参考にしてくださいね。
»【フィリピンの飲み物】日本人が飲んでも美味しい現地のジュースは?