
フィリピンは家族愛が強いって言うけど、どういう意味?
フィリピン人の特徴として代表的な、「家族愛」について気になる方はぜひご一読ください。
こんにちは、うっきぃです。
日本が遠い昔に置いてきた「フィリピン人の家族愛の強さ」を知り、最初はただただ感動しました。
»【家族大好きフィリピン人】母の日や父の日はどうやって過ごすの?
ですが、その根底にある闇の部分を知ったとき、胸が痛くなったのは私だけではないはず…。この記事を読んでくれるあなたの目にはどう映るでしょうか?
この記事でわかるのはこんなことです。
- 一番大切なものは「家族」
- 長男・長女が大黒柱
それではさっそく見ていきましょう!
一番大切なものは「家族」
フィリピン人にとって仕事よりも、恋人よりも、最優先される一番大事なもの。それが「家族」です。
「家族」優先文化なので、「家族」が理由で遅刻しようが早退しようが許される社会構造になっています。

高校生の弟だろうが、40代の母親だろうが家族が体調を崩したら会社を休むのが普通。
日本じゃ考えられないね。
大事な家族が病気なんですから、居ても立っても居られないんです。これがフィリピン流の「家族愛」!
家族と一口に言っても、親兄弟、祖父母だけではありません。いとこやおじさんおばさんなどの親戚も狭い家にぎゅうぎゅうになって暮らしています。
それは結婚して子供が出来ても、親と同居し独立するケースがほとんどないからです。親はず~っと子供といたいし、子供も同じ考えを持っています。

もう誰にも止められない「家族愛」!
日曜日はキリスト教の教えを守って家族で過ごす日です。一緒に教会に行って、一緒に食事をし、家族でのんびり過ごします。
また、大学生でも門限のある家が普通です。

男子寮の門限が19時だからおかしいと思ってたんだよね。
過保護すぎない?
それに、日本のように家族を人前でディスるなんてもっての外!
冗談でも家族のことを悪く言うことは絶対に許されません。それが長年受け継がれてきたフィリピンの「家族愛文化」だからです。

貧しい国だから、みんなで補いあって生きることは素晴らしいよね。
年配者へのリスペクトが絶対ルールなのも、そこは日本人も見習うべき文化だね。
確かに、ここまでは親戚中で支え合って暮らす、古き良き時代の日本のようです。貧しい中にも笑顔溢れる幸せな家族そのもののイメージでした。
ですがここから先は、日本人なら疑問を持つ闇の部分に突入します。
長男・長女が大黒柱
フィリピンの貧困層にとって、子供は大切な財産です。
それは、たくさん産めば稼ぎ手となる人材が増える可能性があるからです。キリスト教の教えで中絶が禁止されているので、一家に5~8人の子供がいることはザラです。
フィリピンでは40歳~50歳で定年を迎えるので、長子が「breadwinner(=大黒柱)」となり親の代わりに家族を養うのです。

WHOが発表した2020年版の世界保健統計によると、フィリピン人の平均寿命は69.3歳。世界1位の日本の平均寿命は84.2歳。だから定年もそんなに若いんだね。
小さいころから「両親が年を取ったら面倒を見るのが当然」と教わっている長男・長女たちは、なんの疑いもなく幼い弟や妹の学費を払うために必死で働きます。

兄弟の学費のために結婚も出来ないんだよ。親がすることはお金の無心だけ!
親は長男・長女が独立しようとすれば全力で止めます。それは一家の大黒柱を失い、自分たちが食べていけなくなるからです。
»【フィリピンスラム】残飯?食べ物?極貧民の料理「パグパグ」に驚愕
賃金の安いフィリピンでは稼げないからと、大好きな家族と離れて海外で出稼ぎという選択をしなければいけない長男・長女もいます。
フィリピンの貧困層の賃金事情については、職業別にこちらの記事で詳しく説明しています。
»【フィリピン平均年収】日本の10分の1は当たり前!貧困層のリアル


家族に喜んでもらうために働くことが幸せと感じるように小さい時から育てられてるの。
自分のことは考えず、全ての基準が「家族」!!
子供たちの将来の夢は「家族のために○○したい」「家族のために○○になりたい」と、【自分の夢=家族の幸せ】です。

日本では自分の思い通りにならないからって、親を殺す事件が多発してるよね。
同じ時代なのに環境でこんなに変わってしまうなんて恐怖すら感じるよ。
ゴミ山のマニカちゃんが有名になったように、誰かが稼げたら家族は依存して働かないのがフィリピン人です。
語学学校の先生は、フィリピン人の夢である公立学校の先生になるように家族に勧められています。
ですが、給料が良くなれば仕事量も増え、家族に搾取されるだけなのです。
稼げる人材が病気で稼げなくなったら、次の子が働く。依存の相手が変わるだけで、根本的には何も変わりません。

これを家族愛と呼ぶなら、もう何も信じられない!

まさに自然界の「3分の1の法則」だね。
働きバチも、働きアリも働いてるのは3分の1だけ。その3分の1が死んだら残りからまた3分の1が働くようになる自然の摂理があるよ。
自然界の摂理を地で行くフィリピン。私には子供たちの犠牲の上に家族が生活しているように感じます。
まとめ
「家族愛」という名で縛られた、フィリピンの子供たちの現状についてお話してきました。
最後にまとめてみます。
- 小さい時から両親・兄弟の面倒を見るように洗脳されている
- 子供たちの夢は家族を幸せにすることだと刷り込まれている
私たちが思う家族愛とは、補い、助け合うことであり、依存することではありません。
「家族のために生きることが幸せ」と洗脳されてしまっているフィリピンの子供たち。自分の人生を自分で選択することを知らないまま、ただ親の言う通りに働かされる奴隷のようです。
自分の道は自分で選べるという当然の権利が、フィリピンの子供たちも持てる社会になって欲しいと切に願います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。