
フィリピンの平均年収ってどれくらい?
どうしてそんなに安いの?
どんな仕事で、どれくらいの給料?
こんな疑問を持つ、フィリピンの給料事情について知りたい方にオススメの記事です。
こんにちは、うっきぃです。
物価が安いことで観光人気の高い、セブ・マニラを中心とするフィリピン。
ですが、物価に対して給料があまりにも少ないことに衝撃を受けました。
そこで、日本とどれくらい違うのか、どうしてそんなに給料が安いのか、どんな仕事でどれくらいの収入があるのかについて調査結果をまとめていきたいと思います。
この記事で分かるのはこんなことです。
- フィリピンと日本の平均年収の比較
- フィリピン人の給料はなぜ安いのか
- 【職業別】給料大公開
- 給料の諸手当について
それでは詳しく見ていきましょう。
フィリピンと日本の比較
貧富の差が大きいフィリピンでは平均の数値はあまり意味をなしませんが、数値として比べてみましょう。
給料について
国家統計局国際労働機関(ILD)によると、フィリピン人の平均年収は48万円。
一方、令和2年9月に発表された民間給与実態調査によると日本人の平均年収は436万円と10倍近い開きがあります。

フィリピンの物価は日本の3分の1~4分の1って言われてるのに、給料は10分の1なんておかしくない?
月収で考えるとわずか4万円程度しかないことになります。富裕層を除外すると、実際のところ月収2~3万円程度と考えられます。
日本の物価に合わせると、私たちの感覚で月6~9万円程度しか給料を貰えないことになりますね。フィリピンが貧困率が東南アジアで一番高い理由です。

これじゃーまともな生活出来なくて当たり前だよ!
その給料で大家族を養うのは無理だよ。
ASEAN諸国の中で特に貧富の差が激しいフィリピンの富裕層は人口の10%、残り90%が貧困層と言われています。

国全体では貧困率は下がってるんだけど、それはマニラが急速に発展しているからであって、地方とどんどん格差が広がってるよ。
その10%しかいない富裕層が、国内全体の収入上昇額の8割を握っているという驚愕の構図になっているのです。
人口について
あと数年で日本人の口を抜くと言われるほど、フィリピンの人口は20年足らずで爆発的に増加しています。
フィリピンと日本の人口ピラミッド表を見比べてみましょう。
引用先:PopulationPyramid.net. フィリピン
ピラミッドの形の違いに驚いたことと思います。平均年齢46歳の日本に比べ、フィリピンの平均年齢は僅か24歳。要するに労働人口が非常に多いということです。
そのため少ない仕事を、日本の何倍もいる労働者で奪い合わなければいけません。2050年まで人口は増え続けるとさえ予想されていますので、ますます苦しい状況になりそうです。

人口減少で消滅寸前の日本と真逆の構造!
経済発展も著しいって聞いたけど、実際どうなの?
フィリピンの経済は2011年にはGDP成長率が世界43位で、この勢いで行くと2050年には14位になると予想されています。

日本の高度経済成長期と同じ成長率でグイグイ来てるのに、どうして失業者は多いままで、出稼ぎ労働者が多いんだろう?
次の章ではその理由について考察していきましょう。
フィリピン人の給料はなぜ安いのか
マレーシアやベトナムのように、製造業の工場など海外からの投資がないからです。
まだまだ治安面などからフィリピンへの進出が見送られているため、海外からの雇用といえばコールセンターくらいしかありません。
比較的高収入のコールセンターですが、英語力が高くないと就職出来ないためハードルは高いんです。

貧困層はきちんとした教育を受けられないから英語力も高くないんだね。
それで給料の低い仕事しか出来ないというワケか。
そのため国内での仕事に見切りをつけ、給料の高い海外で出稼ぎするという選択肢になってしまうのです。
人口の1割に当たる1,000万人ものフィリピン人が、家族を置いて異国の地で出稼ぎする生活を続けています。

出稼ぎで得た給料の6割も家族のために送金してるんだって!必死でいい大学に入ろうとするのも、少しでも給料のいい仕事に就いて家族を養うためだよ。
家族の為に必死で働く子供たちの現状についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

【職業別】給料大公開
職業ごとにどれくらいの給料なのか、見てみましょう。
- オンライン英会話講師…10,000ペソ/月(パート60~80ペソ/時)
- 教師…20,000ペソ/月
- コールセンター…20,000ペソ/月
- ジョリビーの店員…7,000ペソ/月
- レストランの店員…10,000ペソ/月
- 看護師…13,000ペソ/月
- 薬剤師…14,000ペソ/月
- ホテルマン…13,000ペソ/月
- エンジニア…37,000ペソ/月

これじゃ副業しなきゃやっていけないのは当然だね。
ホテルマンはチップで稼ぐようですが、それでも日本のホテルマンの7分の1程度しかなりません。日本で人気の看護師や薬剤師の給料もフィリピンでは10分の1程度ではないでしょうか。
45,000円の収入になるコールセンターの給料はいいですが、海外時間に合わせなければいけないので夜勤もあり、かなりハードな仕事になります。
昇格は学歴が高くないと叶いませんが、昇給は経験値が高くなれば望めます。同業種で5年程度働けば、新人より3割程度の給料アップが見込めます。

フィリピンは学歴社会だから一流大学出身しか高収入の職にはつけないよ。
さらに雇用者は「明日でクビ」ということも出来るから、学歴のない貧困層は常に職探しに翻弄しなくちゃいけないよ。
最低賃金は日本と同じように地域ごとに細かく定められてはいますが、そこはフィリピンなので当然守られることはありません。

通常職と農業という2種類の最低賃金設定があるよ。でも雇用契約書なんかないところがほとんどだね。
給料の諸手当について
衝撃の給料事情を紹介しましたが、日本と同じようにボーナスや残業・時間手当もあるんですよ。
ボーナス
13month pay(13ヶ月給与)、別名「クリスマスボーナス」とも言われます。
12月24日までに、11月分の給料とは別に1ヶ月分の給料を貰えます。正社員だろうとパートだろうと、11月に入社したばかりだろうと全員もれなく貰えるボーナスです。

安い給料で働かされてるんだから、これくらい貰わないとね!
でも、貰ったらドロンする人が多いのも事実!
キリスト教徒のフィリピン人にとって、クリスマスは1年で一番大事なイベントです。雇用主が払い遅れた場合、法律で罰せられるほど重要なボーナスなんですよ。
残業・時間外手当
こちらも日本と同じように8時間労働以上は残業としてカウントされます。
- 残業手当…25%増
- 深夜手当(22時~6時)…10%増
- 休日手当…30%増
- 祝日手当…100%増
通常、正社員=日給、パート=時給で計算します。
最近はマニラなどの都市部では振込も増えてきましたが、基本お給料は現金手渡しが当たり前。10日締めの15日払い、25日締めの30日払いの月二回がお給料日です。

オーストラリアなんて月4回の給料日があるんだよ。
月1回が当たり前かと思ってたけど、これもカルチャーショックだね。
まとめ
フィリピンの給料事情について深掘りしてきました。
最後におさらいしてみましょう。
- フィリピンの平均年収は日本の10分の1に近い48万円
- 貧困層と言われる一般人の月収は2~3万円程度
- 仕事量より労働人口が多いため失業率が高い
- 人口の1割が出稼ぎ労働者
- 昇格は一流大学出身のみ
- ボーナスや残業・時間外手当もある
物価と給料のバランスが取れていないことで、こんなに生活が苦しくなっているとは驚きましたね。
学歴社会が根強く、幼少期から英才教育を受けれる富裕層はずっと金持ち、学校に通えず働き方も分からない貧困層は親と同じ仕事をまねてずっと貧困。
この手の付けようがない、格差社会の負のループが延々と続くフィリピン。給料も物価レベルまで急上昇で追いついて、貧困者が減る事を願うばかりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。