
どれくらい大きいの?
どんなものを食べるの?
どんな子育てしてるの?
こんな疑問を持つ、フィリピンワシについて詳しく知りたい方にオススメの内容です。
こんにちは、うっきぃです。
南国フィリピンにはたくさんのユニークな固有種がいます。
世界最大級の【フィリピンオオコウモリ】はまるで本物もバットマンのようで驚かされました。
≫フィリピンオオコウモリが世界最大は嘘?驚きの生態に興味深々!

- フィリピンワシとは
- フィリピンワシの大きさ
- フィリピンワシの食べ物
- フィリピンワシの生息場所が
- フィリピンワシの子育て
フィリピンでは世界最小のメガネザルを観に行くツアーや、ジンベエザメと泳ぐツアーなど楽しいアクティビティが目白押しです。
フィリピンに行く際はフィリピンワシだけでなく、日本では見れない色んな動物に会いに行ってくださいね。それには【KKday】の海外旅行オプショナルツアーが最適ですよ。
それではさっそく見ていきましょう!
フィリピンワシとは
フィリピンワシは、フィリピンのサマール島・ミンダナオ島・ルソン島・レイテ島にしか生息しないタカ目タカ科のフィリピンの固有種です。
1896年イギリスの博物学者ジョン・ホワイトヘッドによって発見されました。
「世界三強猛禽類」の一種であり、日本でも「イケメンの鳥」として話題になるほど、威厳と気品に満ちた美しいワシなんですよ。

ここで気になる世界最強の鳥ランキングを発表!
- オウギワシ
- フィリピンワシ
- カンムリクマタカ
堂々の世界2位にランクイン!
見た目のカッコよさだけでなく、その強さも世界的に認められた最強の猛禽類なんです。
フィリピンには大型の肉食哺乳類が存在しないため、名実ともにフィリピンの生態系の頂点に君臨しています。
たてがみのように見える頭頂部の羽毛は、冠を連想させる高貴さも持ち合わせていますね。
さらに猛禽類と言えば、フクロウやタカのような黄色やオレンジの目が連想されますが、フィリピンワシは落ち着いたブルーグレーの目をしています。

吸い込まれるような綺麗なブルーの目とクチバシ!
胸の真っ白の羽も上品だよね。
さすが「鳥の王」の異名を持つ美しさです。
ミンダナオ島では「魔法使いの化身」と恐れられていたほど、他の鳥たちとは一線を画す存在でした。

こんなにカッコイイのに、英名は「Monkey-eating eagle(サルクイワシ)」
この別名の「サルクイワシ」は、たまたま標本にした個体にサルの遺物が入っていたために、サルを食べると誤解したことからつけられてしまいました。
狩猟好きで有名だった、故マルコス大統領が「国鳥の名前がサルクイワシとは不名誉だ」とし、1978年に「フィリピンイーグル」に改名して以来、「サルクイワシ」と呼ばれることは少なくなりました。
それでは、実際どれくらい大きさなのか、具体的な数値で見ていきましょう。
フィリピンワシの大きさ
世界最大級と言われるフィリピンワシのサイズがこちら!
- 全長…90~100センチ
- 翼長…約60センチ
- 翼開長…約200センチ
- 体重…5~8kg
全長や翼の面積は世界最大ですが、実は翼開長に関しては日本に生息する「ニホンイヌワシ」の方が約250センチと大きいんです。

これがニホンイヌワシ。
翼の面積は小さいけど、長さがあるね。
それは空中で獲物を捕らえることを得意とするため、狭い密林の中でも自由に飛び回らなければならないからです。
餌を捕獲するために、進化の過程で体に比べて翼開長が短くなったと考えられます。
では、彼らがどのような獲物を食べているのか見ていきましょう。
フィリピンワシの食べ物
ムササビ、コウモリ、鳥、オオトカゲ、ヘビ、ジャコウネコの一種であるパームシベット、そして上記の写真にあるフィリピンヒヨケザルが主な食べ物になります。

ヒヨケザル?あれ?
サルは食べないってさっき言ってなかった?
フィリピンヒヨケザルは「サル」と付いているものの、実はサルではないんです。
ムササビやモモンガのように飛びますが、サルとコウモリの間に位置する珍獣と言われ、研究者の間でも長年議論が交わされていました。

結局、【哺乳網比翼目ヒヨケザル科】として独立した動物になったんだよ。
おもしろいね!
ですが、ニホンザルも属するマカク属のサルも食べるとの報告もあります。
普段人目に付くことが少なく、まだ調査が進んでいないために謎に包まれた部分が多くあるんです。
それでは、彼らがどんなところで生活しているのか見ていきましょう。
フィリピンワシの生息場所
1,800mまでの中程度の標高にある、熱帯雨林の原生林に生息しています。
ミンダナオ島以外のフィリピンの島々でも環境には適応できますが、台風の影響もあるため、ベストな生息場所はミンダナオ島だと言われています。
ですが、フィリピンワシが子育てに使うフタバガキは、高価な硬い大木のため、違法に伐採され続けているんです。

90%もの原生林が失われたとも言われているよ。
フィリピンワシが安心して住めるところがない!
1960年代から森林伐i採の他にも、飼育目的の乱獲などで個体数が激減し、1980年代には300羽程度までになってしまいました。
世界自然保護連合(IUCN)から近絶滅種に指定されてしまうほどに減少してしまったことで、フィリピンが国鳥を守るために動き出しました。
1987年に「フィリピンワシ基金(フィリピンイーグルファンデーション、通称PEF)」が設立され、保護と繁殖を目的とした活動が始まったんです。

当初は苦戦したけど、1992年に人口孵化に成功して以来、今までに約30羽が誕生してるよ!
おめでとう!
2019年6月には、借款契約を結んでいるシンガポールにフィリピンワシの15歳と17歳のつがいを10年契約で貸し出すなど、国外でも種を守る活動をしています。
同じく2019年に6月には、愛玩目的での飼育も禁止され、狩猟の禁止、巣の保護、さらには1羽殺すと12年の懲役を科せられるほどの罰則も出来ました。
第29回東京国際映画祭では「BIRD SHOT」というフィリピンワシを撃ち殺してしまったことから事件が始まるフィリピン映画も公開され、話題になったんですよ。

住民たちもフィリピンワシを守る活動に参加して、植林に力を入れてるよ。
地域一丸となって、フタバガキの苗木を植える活動も行い、徐々に個体数は回復。現在は800羽以上が確認されているんだって!
ダバオ市には、フィリピンワシの保護施設「フィリピンイーグルセンター」もあります。
最後にフィリピンワシがどうやって子育てをしているのかについて覗いてみましょう!
フィリピンワシの子育て
フィリピンワシは過保護と言えるほど大事に子供を育てます。
多くのワシは複数の卵を産んで、兄弟で殺し合っても強いヒナが1匹生き残ればいいという育て方をしますが、フィリピンワシは2年に1度、たった一個の卵しか産みません。

それじゃー、個体数がなかなか増えないはずだ!
オスは7歳、メスは5歳でつがいになり、死ぬまで添い遂げます。
ミンダナオ島では、9月から1月が産卵期と長いですが、ルソン島では9月から11月に台風が襲来するため、12月から1月の短い間にしか産卵することが出来ません。
25m~50mもある高いフタバガキの木の上に、直径150cmほどもある巣を作ります。
2ヶ月の間メスもオスも卵を温め、ヒナは5ヶ月ほどで巣立ちます。ですが、長ければ1年以上もの間オスが狩りをし、メスがエサを与えてヒナの世話をするんです。

1年以上も子育てするなんて、過保護すぎ‼
そこまでしても、なかなか生き残れるヒナがいないというのが自然の怖さですね。ですが、無事生き残ることが出来れば30年以上も生きられます。
美しさ故の乱獲、森林伐採、産卵数の異常なまでの少なさなど、個体数が激減してしまう条件が見事にそろってしまいました。
ですが、世界での保護活動の広がりが功を奏す日も遠くないようですね。
まとめ
世界最大級、世界最強級、そしてイケメンで高貴という最高にカッコイイワシ、「フィリピンワシ」について詳しく見てきました。
最後にその魅力をおさらいしてみましょう。
- フィリピンの固有種
- フィリピンの生態系頂点
- 大きさと翼の面積が世界最大
- ブルーグレーの美しい目
- 近絶滅種であり、個体数が800羽程度
- 2年に1個しか産卵しない
- ダバオに保護施設があり、直接見ることが出来る
気品溢れるフィリピンワシの生態を覗いてみました。
人間によって絶滅の危機に瀕する動物は後を絶ちません。
ですが、フィリピン国民が愛する国鳥「フィリピンワシ」は個体数回復の兆しがみられるとの報告もあります。
保護活動の努力が実を結び、たくさんのフィリピンワシが熱帯雨林を自由に飛び回る姿を見たいものですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。