
フィリピンのお葬式ってどんなことするの?
費用はどれくらいかかるの?
やっちゃいけないことって何?
こんな疑問を持つ、フィリピンのお葬式事情について知りたい方にオススメの内容です。
こんにちは、うっきぃです。
文化や風習が違う外国では、日本での常識は全く通じませんよね。
特に日本と真逆の性質を持つフィリピンでは、その風習も驚くものばかりで、うっかり失礼なことをしてしまうかもしれません。
その国の文化や考え方を知るには、慶弔行事について知る事はとても大事ですよね。
この記事で分かるのはこんなことです。
- 日本と違うお葬式事情5選
- フィリピンのお葬式費用
- お葬式の習慣とマナー3選
フィリピンの一風変わった面白い結婚式事情については、こちらの記事をご覧ください。
≫【フィリピン結婚式】祝福して欲しいから自腹!?日本との違いは何?

それでは、さっそく見ていきましょう!
日本と違うお葬式事情5選
日本と同じように通夜や命日があるなど似たところもたくさんありますが、ギョッとするほど違う文化もあります。その驚きの違いを具体的に見てみましょう。
お通夜が3~7日以上
日本のお通夜に当たる「Wake」は、24時間夜通しで1週間以上続くこともあります。
出稼ぎ労働者が多いフィリピンでは、故人に会うのに時間がかかるため、お通夜は長期になるんです。親族も多いので、あちこちからやってくるのに時間がかかります。

常夏のフィリピンでは、長期保存をするためにすぐエンバーミング
するよ。日本だとドライアイスが定番だよね。
貧しい家では、通常自宅前にテントを張って弔問客に食事を振る舞います。場所がない場合は、公共のコミュニティエリアで行います。
一部のお金持ちは教会を利用し、「Funeral chapel」と言われる葬儀場を使うことも増えてきました。

24時間×数日間にも及ぶwake中、親族は交代制でなく限界になったら隅っこでこっそり仮眠しながら凌ぐというから驚きだね!
最終日に牧師様が来てお祈りをするミサをします。この日が一番たくさんの弔問客が来ることになります。
故人とセルフィーを撮る
日本では「罰当たりな!」と思われそうですが、海外で働いていて帰ってこれない親族のために、故人と一緒に撮った写真をfacebookに上げるのが普通です。
悲しがる葬式風景ではなく、久しぶりに会う友人や親族との笑顔の写真を載せるんです。

wakeが無事に進行している報告や、親族の元気な姿を見せるためだよ。
出稼ぎで遠くの海外にいたら、帰りたくてもすぐには帰国できません。それで、様子が分かるようにSNSに投稿するのです。
いかにも家族が大好きなフィリピン人らしいエピソードですよね。
土葬の習慣が残る
「死者は最後の審判の日に復活する」と言うカトリックの教えに則り、土葬の風習が残ります。

だけど最近は、土地不足や衛生面、費用面から火葬も増えつつあるよ。
区画ごとに購入する土葬用の土地を用意出来ない場合は、積み上げ式の土葬を選択するケースも増えています。
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サガダでは、有名な吊り下げ式の棺桶「ハンキングコフィン」で観光地化されているので、ぜひ実物を見てみたいですね。
葬儀は賑やか
日本のしめやかな葬儀と違って、夜通し食べたり、飲んだり、カラオケまでして大騒ぎします。
それには理由が二つあります。
- 故人が寂しくないように
- 親族が死を受け入れるまで一人にしないように
そのために、普段は法律で禁止されているギャンブルが暗黙の了解でwake中は許されるんですよ。
カードゲームや麻雀などのギャンブルは貧しい家庭が主にすることで、その費用の一部が葬儀費用に充てられます。

タダで食べれて、タダで飲めて、ギャンブルまで解禁されるとなれば、そりゃー関係ない人までわんさか行くよね!
墓地までパレード
葬儀が終わって墓地まで移動するとき、歩く速度で霊柩車が進み、その後ろを参列者が行進する「procession」があります。
道路の真ん中を通るので当然渋滞になってしまいますが、文句を言う人は誰もいません。それどころか、行進に出会った運転手はその列にお金を投げ入れるんです。

怒るどころか寄付を渡すなんて!
参列者が拾い集めて親族に渡すんだって。
ええ話や。
列が長ければ長いほど、生前の交友関係が広かったことが証明されるので長いことがいいとされます。
墓地でもお菓子を振る舞うほど参列者を最後まで楽しませようとするんですよ!
そんなフィリピンの葬儀にかかる費用がどれくらいかかるのか見てみましょう。
フィリピンのお葬式費用
土葬なら25万円~、火葬なら10万円~の費用が掛かります。
内訳は以下のようになります。
- 棺…10,000~50,000ペソ
- 積み上げ式の土葬…5,000ペソ(5年有効)
- 永代供養…2,500ペソ
- 区画購入の土葬…70,000~80,000ペソ
- 火葬費用…3,000ペソ
- 献花一つに付き…150~500ペソ
- 振る舞う食事、お菓子代
積み上げ式の土葬の場合、5年経ったら降ろして遺骨をまとめて棺桶も処分します。2,500ペソ追加で支払うことで、永代供養をお願いできます。
献花は白く、茎の長いカーネーションが人気で、スタンドのあるなしで料金に幅があります。

日本のお線香の代わりがお花ってことだね。
日本のように、受付があって香典や香典返しを渡すということはありません。
遺体のそばに壺が置かれ、そこに【アブロイ】と呼ばれるお花代を香典代わりに入れます。結婚式でもそうですが、だれがいくら包んだか分からないようになっているんです。

お香典も絶対入れなければいけないというルールもなく、金額も100~2,000ペソと各々の気持ちを入れるんだよ。
お香典の代わりに食事やお花を持っていく人もいます。
葬儀費用は貧困層にとって、大金になります。そのため親族や友人が通夜や告別式の費用を負担して寄付してくれることで賄います。
家族、友人の絆が強いフィリピンではどんな時でも助け合いの精神が失われないんですね。
お葬式の習慣とマナー3選
葬儀に参列する際のマナーと習慣をご紹介します。これを覚えておけば、恥をかくことはありませんよ。
服装
基本的に黒っぽい服か白を着ます。フィリピンの正装バロンタガログを着ることもあります。
≫【フィリピンの伝統衣装】正装のバロンタガログとテルノが美しすぎる

明るい色の服は避けられますが、絶対に着てはいけない色が「赤」です。キリスト教で祝い事の意味がある色だからです。
色に注意すれば、あとは短パン、サンダル、Tシャツ、ジーンズでも失礼には当たりません。

日本の喪服をビシッと着ていくと浮いちゃうよ。
wake中にしてはいけない事
故人の霊を連れて帰るなどの意味があり、禁止されている習慣がたくさんあるのでご紹介します。
- 通夜で出された食べ物を持ち帰ってはいけない
- (故人の家で)シャワーを浴びたり、髪をといてはいけない
- 掃除をしてはいけない
- 鏡には布をかけて覆わなければいけない
- 通夜で着た服は帰ってから着替えて洗濯するまで着てはいけない
- マノポをしてはいけない
- 行きに通った道を帰りに通ってはいけない
- 葬儀から直接帰らず、寄り道しなければいけない
- 香典に対してお礼を言ってはいけない
この他にも、気を付けなければいけないのが「お悔やみの言葉」を言ってはいけないということです。
キリスト教では「死は永遠の命の始まり」とされているので、生まれ変わりも信じていません。「安らかに眠れますように」などと慰めの言葉をかけることが普通です。
墓参り
お盆やハロウィンに当たる11月1日に「All saint’s day」というお墓参りをする日があります。
その日は霊園にテントやマットを持って行き、ピクニックをするんですよ。

お墓の前に電球を吊るしてくれる電球屋さんもいて、夜はとても幻想的になるんだよ。お墓なのにロマンチック!
カトリック教では、何か恵みを施して貰いたいときは9日間続けて祈りを捧げるという習慣があります。
そのため、亡くなった日から9日目に故人の冥福を祈るために親族がまた集まります。日本で言う初七日ですね。
その他にも49日に当たる、故人が天国に行く日とされる40日目に教会で礼拝をする儀式もあります。

風習があまりにも日本と違ってびっくりしたけど、似ているところが見つかると親近感も湧いてくるね。
まとめ
フィリピンのお葬式事情について、日本との違いや習慣など詳しく見てきました。
最後にポイントをおさらいしてみましょう。
- お通夜(wake)が3~7日以上ある
- 故人とセルフィーを撮る
- 土葬の習慣が残る
- 葬儀は賑やかに行う
- 墓地までパレードする
- 赤を入れた服装はしない
- wake中の禁止事項が多い
- 墓参りはピクニック
キリスト教の教えや、出稼ぎ習慣のあるフィリピンでは日本とは違う風習が多くて驚きましたね。
また、賑やかに故人を送り出そうとすることも、陽気なフィリピン人らしくて素敵だと感じました。
どんな時も助け合う心を持ち、どんな時も楽しもうとするフィリピンの人たちを私たちも見習いたいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。