
フィリピンでのLGBTの立場は?
フィリピンはLGBTにとって住みやすい国?
フィリピンはカミングアウトしやすいの?
LGBTの人たちの出会い方は?
こんな疑問を持つ、フィリピンのLGBT事情について知りたい方にオススメの内容になっています。
こんにちは、うっきぃです。
LGBT後進国の日本からしたら、タイやフィリピンはLGBTに理解があって、オープンなイメージがありますよね。自由にカミングアウトして、思うままに暮らしてそうだと感じませんか?
ですが実際、フィリピンではLGBTが社会でどのような立場なのか、どれくらいの割合の人がそうなのか、LGBTに関する法律や、カミングアウトについてまで詳しく深掘りしていこと思います。
この記事で分かるのはこんなことです。
- フィリピン社会でのLGBT
- フィリピンはLGBTにとって暮らしやすい国
- フィリピンと日本のLGBTの割合
- フィリピンでのLGBTの出会いの場
- フィリピンのLGBTの有名人
それではさっそく見ていきましょう!
フィリピン社会でのLGBT
カトリックの教えに背くと考えられるため、フィリピンでは同性愛が禁止されています。

街中にLGBTが溢れてるのに?
意外過ぎる!
一口にLGBTと言っても、いろんなタイプがありますよね。
- L…レズビアン(女性同性愛者)
- G…ゲイ(男性同性愛者)
- B…バイセクシャル(両性愛者)
- T…トランスジェンダー(性別違和)
フィリピンでは、トランスジェンダーを授業で取り上げることもあり、トランスジェンダーの男性は同性愛者と区別され、市民権も得ています
ですが、同性愛に対してはアメリカのような「ドメスティック・パートナー」も認められていません。
そのため政治意識の高いゲイたちが、ゲイ解放運動に力を入れました。
2009年6月26日には日本より2ヶ月早く、アジアで初めて「ゲイ・パレード」がメモリアルサークルで開催されたんですよ。
それから毎年6月末に開催され、アジア最長&最大規模の記録を更新しています。

最初は数百人から始まったパレードが、2019年には7万人にまで膨れ上がったというからその規模の大きさが分かるね。
【バカラ】と【トンボイ】
フィリピンでは、オカマのことを【バカラ】、オナベのことを【トンボイ】と呼びます。
【バカラ】はメイクアップアーティスト、ダンスインストラクター、美容師に多く、服装やしぐさが女性らしいという特徴があります。好きになる相手は必ず男性ということではないので、ゲイとは違います。
また【トンボイ】も短髪で男性らしく振る舞い、セキュリティガードなど男性的な仕事に就いていることが多いですが、必ずしも女性を好きになるわけではないのでレズビアンとは違います。

タイでは18種類の性別があるんだよ!
facebook登録時になんと58種類ものジェンダーから選べるというから、その多様性に驚かされるね。
私たち日本人から見れば、フィリピンではLGBTの人たちが隠さず自由に楽しく生きているように見えます。
世界の中でフィリピンでLGBTの人がどれくらい暮らしやすいと感じているのか見てみましょう。
フィリピンはLGBTがアジアで最も住みやすい国
GULLUPによる、ゲイやレズビアンの人にとって自分の国が暮らしやすいかを調べた調査によると、フィリピンはアジアで最も住みやすいとされる結果になりました。
引用先:GALLUP

上位はヨーロッパ勢が占めてるね。
あれ、ニューハーフと言えばタイじゃない?
そうなんです、オカマのイメージが強いタイがフィリピンの上にありません。なんとこの調査によると、フィリピン22位、日本50位、タイ61位なんです!

タイより日本の方がLGBTにとって住みやすいって意外な結果だね!
ゲイに対して日本よりオープンなフィリピンですが、LGBTに対する法律についてはまだまだ進行中の部分も多いです。
現在、どのようなことが決められているのか見てみましょう。
LGBTに関する法律
2017年9月20日に、フィリピンのLGBTの権利が守られる法案が可決されました。
その法案によって、LGBTが公共サービスを使うことを拒否される、医療サービスを拒否されるなどの行為が認められた場合は罰則が科されることになったんです。

違反した場合は、なんと10万~50万ペソ(約22万5,000~112万5,000円)の罰金、または1~6年の懲役だよ!
今まで、約1,200万人ものフィリピン人がLGBT差別を経験しています。この法案が守られることによって、ヘイトクライムによる事件がなくなるといいですね。

トランスジェンダーの女性はまだまだ認められていない社会なの。
男性から殺害される事件も多発してるんだよ。
現在認められているLGBTの権利は以下の通りです。
- 同性間の性交渉…合法だが、不道徳行為として罰則が科せられることもある
- 同性結婚…家族法で禁止されている
- 同性カップルの養子縁組…引き受け可能
- 同性愛者の軍隊勤務…2009年よりゲイ・レズビアンは可能
LGBTのカミングアウト
日本よりカミングアウトに関してハードルが低いと思われますが、実際は社会的地位にも影響があり、とても勇気がいることに日本と変わりはありません。
とくに家族愛の強いフィリピンで家族に打ち明けるのことは、自分の存在を否定されることにもなりかねません。
»フィリピンの家族愛は奴隷制度?子供を洗脳して寄生する家族の実態!
ですが子供の多いフィリピンでは誰か一人がLGBTということも多く、親は子供に性の不一致がないか用心深く観察します。

トランスジェンダーだと分かると親戚からはカトリックの教えに反するということから、犯罪者のように扱われるんだって。

政治家や先生など仕事によっては昇進にも関わってくるよ。
社会からの見られ方も変わるため、フィリピンでもカミングアウトにはかなり慎重です。
私たちが会いやすい語学学校の先生は、かなりのLGBTの確率が高いことが知られています。イジメを受けた経験のある人が多いため、痛みのわかる優しく、親切な先生がたくさんいます。
語学学校によっては、LGBTを隠すことを強要されることもまだまだあるようですが、日本でもLGBTへの理解が少しずつ進みだし、LGBTを理由にクレームを受けることはないと言います。

逆にユーモアがあって楽しいからって、密かなファンもいるくらいだよ。
日本とフィリピンのLGBTの割合
日本のLGBT層の割合は年々増加傾向です。
2012年には5.2%でしたが、2015年には7.6%、2018年には8.9%と増え続けています。

日本人の11人に1人がLGBTってことになるよ。

タイで性転換手術を受ける外国人は、実は日本人が一番多いというのも納得の結果だね。
人口の約9%というと、左利きの人の割合と同じ割合となります。カミングアウト出来ないだけで、実は性別に違和感を感じているという人がかなりの人数いると分かりますね。
最新の調査によると、フィリピン人のLGBTの割合は11%。

フィリピン人の10人に1人がLGBTという結果。
日本とほぼ変わらないんだね。
日本の高校でも女子がパンツスタイルの制服を選べるようになるなど、教育現場でも変化が起き始めました。
現在カミングアウトする日本人の割合は34.9%ですが、カミングアウトしやすい環境になればもっと増加することが想像できますね。
今後もLGBTが増え続けることが予想されることから、一刻も早く暮らしやすい環境になることが望まれます。
フィリピンでのLGBTの出会いの場
1970年代、フィリピンでLGBTが増え始めたころは、ゲイバー、サウナ、映画館などが主流でした。
ですが、ゲイバーに行くこと自体でゲイと公表していることになる上、サウナも警察の強制捜査の危険もあります。現在はその出会い方法はすっかり衰退し、現在は安全で無料の出会い系アプリが主流となっています。
一番人気は674万人もの登録者がいる「planet Romeo(プラネット・ロメオ)」で、登録者の7.1%がフィリピン人だと言います。
引用先:wikipedia
コロナ禍の今、バーチャル空間で世界中のユーザーからパートナーを探せる理想的な方法としてますます人気となっています。
フィリピンのLGBTの有名人
フィリピンではLGBTの人は才能のある人が多く、一目置かれる存在でもあります。
LGBTであることをカミングアウトした、フィリピンのみならず世界でも有名な3名をご紹介しましょう。
ドゥテルテ大統領【ゲイ】
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問題発言連発のドゥテルテ大統領は、来日した際に「自分はかつて同性愛者だったが、治した」と発言して物議をかもしたことがありました。

病気じゃないんだから「治した」ってどういうこと?
LGBTを擁護したり、敵に回したらり、さすがドゥテルテ‼
バイス・ガンダ【バクラ】
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老若男女問わず、お茶の間で圧倒的な支持を集めるバイス・ガンダ。その奇抜なファッションやメイクも人気で、自身の化粧品ブランドまでプロデュースしています。
こちらの動画は【SB19】がバイス・ガンダの番組でスピードチャレンジとして、速度を変えた曲で踊っているもの。

SB19ファンのうっきぃ、A’TIN代表としてバイス・ガンダに感謝♡
メンバーのこんな姿見れないから、お宝映像だわ!
東洋一のスラム出身の彼女。スラム街の人たちの希望として、もっともっと活躍して欲しいですね。
ジェイク・ザイラス【トランスジェンダー】
フィリピンの貧しい家庭出身で、実力№1シンガー「シャリース」。
アジア人アーティストで初めてビルボードアルバムTOP10入りを果たした天才歌手です。全米デビューした後、トランスジェンダーだと公表し、2017年から「ジェイク・ザイラス」と改名して男性として再出発しました。
2020年には日本語版「歌姫の仮面を脱いだ僕」が出版され、話題となったんですよ。

ジェンダーレスな歌声が素敵♡
今までの名声を全て捨て、再スタートを切りました。彼の思いが詰まった自伝は必読の内容です!
まとめ
フィリピンのLGBT事情について、社会での立場や、法律、その割合から有名人まで詳しく見てきました。
最後にポイントをおさらいしてみましょう。
- フィリピンでは同性愛は禁止されている
- LGBTの人達が住みやすい国アジアで1位
- LGBTの人を守る法案が出来、罰則もある
- カミングアウトは日本同様、難しいこと
- LGBTだと職業によっては昇進にも影響する
- LGBTの人口割合は日本8.9%、フィリピン11%
- 出会い系アプリでの出会いが主流
日本より遥かにLGBT先進国だと思われていたフィリピンですが、意外にもまだまだ根強い差別があることが分かりました。
ですが日本よりオープンで、当たり前に社会に溶け込んでいるのも事実です。その環境を求めて留学生が増えているという調査もあります。
日本のLGBTの自殺率は異性愛者に比べ3倍以上も多いと言われていますので、日本で息苦しさを感じたらフィリピンへ飛んで価値観を変えてみるのもいいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。