
どの地域でどんな言語を使ってるの?
フィリピンの言語ってどうやってできたの?
言葉がたくさんで困らないの?
こんな疑問を持つ、フィリピンの言語事情について詳しく知りたい方にオススメの内容となっています。
こんにちは、うっきぃです。
7,000以上もの島からなる国、フィリピンにはたくさんの言語があります。
公用語としてタガログ語と英語の2言語が使われているために、英語留学の人気地となっていることは有名ですね。
»フィリピン人はなぜ英語が流暢なの?話せない日本人との違いは何?
日本にもたくさんの方言があり、言語がたくさんあるとも言えます。ですが、フィリピンで文法から全く異なり、方言というレベルではないんです。
そんな不思議なフィリピンの複雑な言語について調査してみました。
この記事で分かるの事は、こんなことです。
- フィリピンの言語について
- フィリピン語の成り立ち
- フィリピンの言語の問題点
それでは、さっそく見ていきましょう。
フィリピンの言語について
フィリピンには元々、なんと170以上もの言語があったと言われています。
ですが、現在ではほぼ衰退しており、日本外務省によると80前後とされています。

確かに多いけど、同じ島国の日本でも方言は140種類もあるよ。
それと同じじゃない?
ところが、フィリピンの言語は日本の方言とは全く異なります。文法や単語も違い、独立した言語のものもあるんです。

文法まで違ったら、フィリピン人にとっても外国語と一緒だね。
娘の通う大学でも、グループ内で現地の「イロカノ語」を理解できるのはたった4分の1程度。現地の言葉を英語に訳してもらうことも多いんですよ。
さらに、地域によって言語の呼び方も違うので、非常に複雑になってしまっています。セブで話される言語が「セブアノ語」や「ビサヤ語」と呼ばれるのが代表的ですよね。
100万人以上が話す言語だけでも以下のようなものがあります。↓↓↓
- タガログ語
- ビサヤ語
- イロカノ語
- ヒリガリノン語
- ビコール語
- パンパンガ語
- パンガンナン語
- マジンダナオ語
それぞれの話者人数についてはwikipediaに詳しく解説がありましたので、気になる方はご覧ください。
セブで使われるビサヤ語をスラングにしたのが「セブアノ語」です。「タガログ語」とは動詞も違うので、完全に別の言語ということになりますね。
日本人がよく訪れる地域では、以下のような言語を話しています。
- マニラ(ルソン島)…タガログ語
- セブ(ビサヤ諸島)…セブアノ語
- ダバオ(ミンダナオ島)…セブアノ語
- バギオ(ルソン島)…イロカノ語
それぞれの島で文化や言語が独立しているため民族も多く、タガログ族・ビサヤ族・セブアノ族を始め、数千人しかいない民族もあります。

地域によってはアラビア語や中国語を話すところもあるよ。
ですがこのままでは、同じ国家として交流が出来ません。それではどうやって言語を統一したのか見ていきましょう。
フィリピン語の成り立ち
スペインの植民地になり、アメリカの植民地にもなり、フィリピン政府は国内での共通言語が必要だと切に感じるようになりました。
そこで、国民の4分の1にあたる2,200万人が使っていた「タガログ語」を基本とした「フィリピン語」を作ったんです。

そのままタガログ語を公用語にすれば早かったんじゃない?
どうしてわざわざ別言語を作ったの?
当時、セブアノ語の話者も相当数いたため、タガログ語をそのまま国の言語とすることに反発が起きる可能性があったからです。

反発を買わないためにちょっぴり変えて作ったワケね。
このような流れで、フィリピン語(≒タガログ語)が公用語となりました。
同時にアメリカからの支援を受け、英語学習に力を入れたため英語も公用語として使用されるまでになりました。
その経緯についてもこちらの記事で詳しく解説しています。
»フィリピン人はなぜ英語が流暢なの?話せない日本人との違いは何?

ですが、「これがフィリピン語」というはっきりした定義が出来ないのが実情です。
首都であるマニラ周辺で主に話されるフィリピン語ですが、地方から多くのフィリピン人が集まり、地方の言葉も混ざってくるようになったからです。

フィリピン語はまだまだ進化途中だよ。
フィリピンの言語の問題点
語学学習に重点を置き過ぎて他の勉強がおろそかになっているということです。
幼稚園から英語教育が始まり、現地語(セブアノ語、イロカノ語など)とは別に国語のフィリピン語の授業もあります。
そのため算数や理科、社会など他の教科に割く時間が物理的に減ってしまうという状況に追い込まれているのです。
また、人口が爆発的に増えているために、教室も先生も不足するという事態に陥っています。

教室も足りないから、学生を午前と午後の部に分けて急場をしのいてるよ。
大学生でも中学レベルの数学を理解してないから、教えてって言われるくらい。

特に算数はみんな苦手!
〇%引きの計算どころか、足し算引き算も怪しい人がゴロゴロいるよ。
義務教育なのに、通えない子供たちが多いのも問題です。
公立学校は授業料は無料ですが、制服、教科書、昼食代などのほかに、学校備品代の寄付金がかかるため経済的に通えない子もいます。

学校に通えなくて、普段話している現地語しか話せず、読み書き出来ない人も多いのが現実だよ。
語学学習をすることによって外貨を得ることが出来、フィリピン人の生活が向上していることは事実です。
ですが、学校にすら通えない子供たちもいること、語学学習に重点を置き過ぎて他の勉強まで手が回っていないことも大きな問題と言えますね。
まとめ
フィリピンで使われている言語の種類とその問題点について見てきました。
最後にそのポイントをおさらいしてみましょう。
- フィリピンには現在80前後の言語がある
- 文法や動詞の違う独立した言語もある
- それぞれの島の文化や言語があるため、公用語を作った
- セブアノ語話者の反発を買わないようにタガログ語基本のフィリピン語を作った
- フィリピン語は現在も進化している
- 語学に重点を置き過ぎて他の勉強に割く時間がないため、学力が低い
数千にも上る島国ということ、数々の植民地支配を受けてきたことなど、フィリピンならではの歴史があります。
それらの影響によって、その歪みが子供たちに影響しているということは悲しいことですね。
2018年から大学の学費が無料になるという制度を打ち出したドゥテルテ政権。今後も子供たちに惜しみない支援をして欲しいと考えます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。